きつねとぶどう
小学一年生の頃の話しです。
担任のB先生から一冊の本を手渡されました。
「これを読んできなさい」
私は何のことか分からず、家に持ち帰りその本を読みました。
手渡された本は「きつねとぶどう 作:坪田譲治」(イソップ物語ではありません、現在小二道徳の教科書に載っています)でした。
その当時住んでいたところでは、市内小学校児童の童話コンクールが毎年開催されていたのです。その一年生の代表として選ばれたのでした。その本を憶えて、身ぶり手ぶりを加えながら、大きな会場で発表するのです。
これは、転校するまで三年間続きました。
時は過ぎ、産休補助で小学二年生を担任することになりました。授業参観の後、あるお母様から「お若い先生で心配していました。ところが先生の国語の朗読を聞いて安心しました」とお褒めの言葉をいただいたのです。これは童話コンクールのおかげだと思った次第です。今の仕事にも活きているのかもしれません。
なんでこのことを書いたのかというと、その小学校の育友会の会報をネットで見つけたからです。50年以上も前の会報に童話コンクールの記事があり、私の名前が載っていました。よくもまあそんな昔の会報が残っていたものです。
これもずいぶん前の話になりますが、枚方で一人暮らしをしていた叔母を訪ねた時、ちょうどヘルパーの方がいらしていました。話をすると同じ小学校の出身だと分かり「みどりの風に声あげて よばばこたえん眉山の~♫」と校歌を二人で熱唱しました。
その後通った中学校は、統合されたのを機に校歌も変わってしまいました。ちょっと淋しい気がしています。