雑記㉘
夏の思い出
いつまでも残暑が続きます。もうとっくに長袖の季節なのにおかしな天候ですね。
今回は、中学2年生の頃のお話です。6月の後半、休み明けの月曜日に中学校に行くと、すぐに校長室に呼び出されました。行くと、友達4人と私は、校長先生の大きな机の前に立たされました。何のことか分からず緊張していると、おもむろに校長先生が…
校長:「昨日(日曜日)、小学校に行ったか?」
私たち:「はい!」
校長:「そこで何をしたんだ?」
私たち:「プラモデルの船をプールに浮かべて競争させました」
このやり取りの後でも、何でここに呼ばれているのか分かりませんでした。
その頃、仲間うちでプラモデルを作るのが流行りました。精魂込めて作った作品を持ち寄り、自慢し合っていたのです。いつしか、みんなで作るものを決めて、競争させようということになりました。今回は自動車、次回は戦車…という風にです。それが今回は船だったのです!!!
私のエントリーした船は、忘れもしない、箱に「スピードのチャンピオン」「快速ボート」と大きく書かれた、その名も『インディアン号』でした。競争用のボートですから速いに決まっています。友達の船を大きく引き離し、ぶっちぎりで優勝したのでした。そして、みんなで出し合って買った優勝の副賞(プラモデル!?)を手にしたのでした!
今考えると、速いのは当たり前です。私の船のモーターは、友達の船の倍以上の大きさでした。どれくらい速かったのかというと、スタートと同時に私が全力で走らないと、むこうのプールの壁に激突してしまうのです。私は必至でした。
そうそう、何故呼び出されて𠮟られたのか?
やっと理解することができました。実は、このインディアン号は私が買ったものではなかったのです。金持ちの友達が作りかけて放っていたものをもういらないと言ったのでもらったのです。箱ごともらい受け、丁寧に作り上げました。他のプラモデルと比べ、パーツが少なくすぐにできました。
ところが一つだけ無いものがあったのです。それは、船内のモーターと船外のスクリューをつなぐシャフトの出口をふさぐグリスです。このプラモデルは、シャフトを通す穴のすき間から水が浸水しないように、グリスという潤滑油をシャフトボックスにつめてその穴をふさぐしくみになっていたのです。
困りました!これがないと水が入ってきて、船は沈んでしまいます!中学2年生の私は考えました。何か代用品はないものかと???
そうだ!ひらめきました!水の侵入を防ぐ油、すこし粘着性があるもの!『マ、マ、マーガリンだ!』早速、冷蔵庫から出してすぐにぬれる、アレを取り出したのでした。シャフトボックスにマーガリンを詰めてボックスを閉じて完成です!!!
もくろみは大成功でした。マーガリンは水の侵入を防ぎ他の船をぶっちぎっての優勝でした。
ところが、考えが足りなかったのです。船を浮かべているうちに、マーガリンが溶け出し、水面に大きな油の島を作ったのでした。
奇しくも次の日(月曜日)は、小学校のプール開き!油の浮いたプールでは、泳がせられないと小学校から怒りの電話が中学校に届いたのでした。
小学校では、夏休み明けに、誰が外でよく遊んだかを競う「くろんぼ大会」(日焼けコンテスト)が行われていた、おおらか?!な頃のお話です。