雑記㉕

ちょっと思い出してみると⑧

中学校の先生は、本当に大変だったのですが、今思い返すと充実していた毎日でした。

中学2年生の担任に加えて、女子バレーボール部の顧問でした。バレーボールなどできない私は、ネットのそばまで高い台を持ってきて、そこから向こうのコートにスパイクをしていました。それを部員たちにレシーブさせていたのです。無茶苦茶でした。

忘れられないのは修学旅行での出来事です。引率とはいえ、旅行気分の私はあちこちでお土産を買っていました。ところが、他の先生方はお買いにならないのです。何度も引率して来られているので欲しくないのだと思っていました。

ビックリしたのは、無時旅行を終えバスを降り、最後の生徒を見送った後でした。一緒に行った先生から「ハイ!、これ先生の分!」と紙袋いっぱいのお土産を頂いたのでした。

さらには、修学旅行の二日目の深夜のことです。生徒たちを何とか寝かして日付が変わったころ、生徒たちとは違った階の部屋に来るように同僚の先生から言われました。

行ってみてビックリ!!設けられた席の前には、テーブルに乗り切れないほどの料理の数々!なんじゃこれは!!!と船盛の刺身をはじめ豪華な料理を頂いたのでした。

40年近く前のお話です。すべての修学旅行で行われているものではありませんことを断言いたします。

ただ申し上げたいことがあります。いくつかの仕事を経験して分かったのですが、どの仕事にもオイシイ仕事?があります。どの業界にもそれぞれ特典みたいなことがあるのです。

ところが、先生にはありません。公務員ですから、接待など受けてはいけないのです。また先生という立場上、日ごろの社会生活でも制約を受けることが多く、気の向くまま羽目など外せないのです。

大昔は、先生様として地域の人たちから敬われ、ステータスもありました。ですから特典が多い先生を目指す人も多かったのです。

ところが先生の地位が低下するにつれて、生徒や保護者に気を使い、同じ教員同士でまとまるしかない状況が出てきたのです。

ですから、この修学旅行の件は見逃して欲しいと思っています。

家庭訪問に行って、二晩生徒の家に泊まりました。前の生徒の家で飲めて、うちでは飲めないのかとお酒を勧められ帰れないのです。へべれけになるまで飲まされて酔いつぶれて寝てしまったのでした。

家庭訪問が地域の行事であった…、こんなまだ温かみの残った時代でもありました。