最近読んだ本⑩

大江戸美味草(むまそう)紙

その日ぐらし(高橋克彦) 著者 杉浦 日向子

 
江戸好きの嫁につられての読書です。杉浦さんの作品は3冊目でしょうか?

相変わらず小気味よい文章が大好きです。大御所の佐藤愛子さんや曽野綾子さんが、90才を超えても元気に執筆されていることを思うと、杉浦さんが46歳でガンに侵され旅立たれたことはくやしい限りです。

江戸に魅入られた彼女の作品は、みずみずしく現代の私たちに語りかけてきます。今読んでいる本でも、「モノにあふれる中で暮らす私たちは本当に幸せなのか?」と問いかけていますが、タイムスリップできることなら江戸に行って生活してみたいなと思わせる内容なのです。

川柳を通して語られる江戸の風物は、知らなかったことばかりで、どうしてこれほどの知識を得られたのか不思議になります。本当は、彼女こそが江戸からタイムスリップして現代に舞い降りてきた人だったのかもしれません。

2冊目の「その日ぐらし」は、高橋克彦氏との対談集です。前半は面白かったのに、後半でダレてしまったのが残念です!

その本の中で
「石油に代る代替えエネルギーとして最右翼なのが原子力ですよね。ただ、原子力は人間の使いこなせる道具ではありませんね。コケるとすれば、エネルギー問題で、一夜にしてコケるんだろうなと感じています。戦争でも何でもなくて。」と語っていらっしゃいます。

30年以上も前のこの作品で、現在抱える原子力の問題を予見しているのです。やっぱり彼女はエイリアンだったのかもしれません(笑)

また杉浦さんの作品を読んでみようと思っています。もっともっと江戸の話を書いていただきたかったです。彼女自身もまだまだ書ききれないことがたくさんあったことでしょう。

このブログに載せることを意識してから、なかなか面白い本に出合えていません。ステキな本って探して見つかるものではないのかもしれません。

そうそう、昔と比べて本は高くなりましたよね。中高生の頃は3、4百円で買えた文庫本が、平気で千円以上になっています。値段を見ずにレジに持って行って3千4百円と言われ、ドキドキしたこともあります。

そこで、この本もそうなのですが、付き添いで行った某病院の図書コーナーでの借りものです。また、無印で売っている「古紙になるはずだった本」は百円で買うことが出来てありがたいです。

秋の夜長、皆様も読書に励まれますように!

塾生のお母様が、お子様が一日11時間以上もスマホと向き合っていると嘆いていらっしゃいました。時代とは言え、子供たちにはステキな本と出会って欲しいのですが、どうすればよいのか思案に暮れています。