最近読んだ本⑨
吾輩も猫である
著者 赤川次郎、新井素子、石田衣良、荻原浩、恩田陸、原田マハ、村山由佳、山内マリコ
この本は、かみさんから借りて読んだ本です。
8人の作家が、漱石の「猫」をオマージュして書いた短編です。
個人の好みで分かれるところでしょうが、妾(わたくし)は猫で御座います(新井素子)、猫の神さま(村上由佳)、彼女との、最初の一年(山内マリコ)が良かったです!
漱石の本は中・高校生の頃たくさん読みました。今ではどれがどれだったかごっちゃになっておりますが…。
熊本は、漱石が第五高等学校(現在の熊本大学)の英語教師として4年あまりを過ごした土地です。
漱石の旧居が公開されていて、高校の頃、一人で見学に行ったのを憶えています。
それで、漱石を読みたくなったのかもしれません。
熊本時代に書かれた「草枕」の有名な冒頭が今も心に残っています。
山路(やまみち)を登りながら、こう考えた。
智(ち)に働けば角かどが立つ。情(じょう)に棹(さお)させば流される。
意地を通(とお)せば窮屈(きゅうくつ)だ。
兎角(とかく)に人の世は住みにくい。
住みにくさが高(こう)じると、安い所へ引き越したくなる。どこへ越しても住みにくいと悟(さと)った時、詩が生れて、画(え)が出来る。
なんか、現代にも通じる名文です。
奇遇にも、読んでいる途中、かみさんが某百貨店の駐車場で泣き叫んでいた一匹の子猫を拾ってきました。300gにも満たない体は、衰弱しきっており、抗生剤や点滴もあまり効果がない状況です。はやく回復して元気になって欲しいと祈る日々です。