最近読んだ本⑧

ムツゴロウの青春記

著者 畑 正憲

はるか昔、中学か高校生の頃読んだ本です。

ムツゴロウシリーズを何冊も読みました。当時、ムツゴロウさんの人気はものすごく、北海道のムツゴロウ動物王国にはたくさんの若者が王国で働かせてほしいと押しかけました。

何を隠そう私も高校を卒業したら行こうと、真剣に考えたりしてました。

今回読み返してみると、ムツゴロウさんの軽快な文章に引き込まれます。奥さまである純子さんとの恋愛を、中学から大学までの青春時代を中心に書かれた作品です。

ユーモアたっぷり、恥ずかしい内容も平然と書かれており、若き私は、どんな顔をして読んだのだろうかとこちらが恥ずかしくなりました。

お父様は、医者として不十分な資格で開業し、警察に捕まります。その後、夜間中学、高校を卒業された上で、苦労して満州での医師免許を取得されたのでした。満州の辺境地で医者としての生活が落ち着きをみせた頃、終戦を迎えます。やっと取得した免許が内地(日本)では通用しないことになり、さらに苦学の末やっと国家資格を取られたのでした。

その期間の貧乏生活、満州の奥地での自然と動物に囲まれた生活。これがムツゴロウさんの原点になったようです。

テレビで見せた、動物好きな、人の好いオジサンだけではないのです。
くったくのない笑顔や穏やかなしぐさの中に、一瞬みせる鋭い視線!

昭和の一本筋が通った男、信念を曲げない頑固さを持ち合わせた人だったのです。

こんな方が少なくなった今、今年4月、お亡くなりになりました。
本当に残念に思います。心からご冥福をお祈りいたします。