最近読んだ本③

チッソは私であった

著者 緒方 正人

この本は、京都の「斗々屋」さんでいただいてきました。このお店は「オーガニック」「フェアトレード」「ゼロ・ウェイスト」を基準に選ばれた商品を販売されています。商品を眺めていると奥の一角に、「ご自由にお持ち帰りください」と数冊の本が並べてありました。まさか?と思い店員さんに確認した上で、ありがたく頂戴した本です。

題名をみて、持ち帰る人がいなかったのでしょう。私は熊本出身!最近は故郷の名前を見ただけで反応するようになりました。そんな年齢になったのですね。

読み始めると、題名以上に熱く訴えかけてくるものが多く、最後まで一気に読んでしまいました。

緒方さん自身も水俣病患者。6歳になろうとするときに父親が発病、元気だったお父さんは狂って狂ってその2か月後に激烈な死を遂げられます。ここから緒方さんの人生は変わります。

その後、緒方さんは、チッソを相手取っての訴訟の中心として活躍されます。ところがその渦中、突如、患者認定申請を取り下げられたのです。

加害者のチッソ、それを擁護する国や県と思って闘ってきたが、その正体が分からなくなった、得体のしれないものと闘っている。

水俣病事件は、私たちに何を言っているのか?
受け取ってくれる相手がころころ変わって、闘っている相手の主体が見えない!

この思いが自分に跳ね返ってきて、自分が押しつぶされんばかりに狂ってしまった!

お前はどうなんだ?
立場が変わっていたらお前は、どうしたんだ!
                         つづく