キリスト教と私④

なぜ家の宗派が曹洞宗なのか?

学生の頃から抱いた私の疑問でした。

この疑問に答えていただいたのは、帰省した時、お墓参りで訪れたお寺の住職さんでした。

ご存じの方もいらっしゃると思いますが、島原・天草の乱が深く関係していました。

その当時、天草の島民の三分の二以上がキリシタンだったといわれています。その島民をキリスト教から引き離して厳しく統治していくために「宗門改め」が実施されました。

キリスト教信者は、お寺と関わっていませんでした。信者を仏教に改宗させるため、天草にお寺を作りその檀家として紐づける「寺請制度」を徹底したわけです。

新しく作ったお寺の宗派は何でも良かったわけではありません。一向一揆に手を焼いてきたことを知る幕府は、浄土真宗(一向宗)の寺は作らなかったようです。

他にも理由があるようですが、こうした背景で、天草にたくさんの曹洞宗のお寺が作られ、島民はその檀家となりました。仏教に改宗することで、その後の宗門改めにも対応していきました。

現存する天草のお寺の数は、100以上あります。あの小さな島にこれほど多くのお寺があるのには理由があったわけです。そしてその宗派を調べると、曹洞宗のお寺の数が一番多いことに驚かされます。