楕円球の思い出!⑨

目標!

素人が始めたラグビー、みんなの足手まといにだけはなりたくありませんでした。

華やかなプレーなど程遠く、誰でもできるポジションですが、ラグビーが面白くなるにつれて、なんとか上手くなりたいと思い始めました。

ところが、寄せ集めの草ラグビーチームには、監督やコーチなどいません。フッカー経験者に教えてもらうことすらありませんでした。そこで考えたのです。

実戦を通して上手くなるしかない!

幸い、不人気なポジションゆえに試合には多く出させてもらいました。私は、毎試合ごとに目標を立てて臨むことにしたのです。

はじめは小さな目標「今日は、3回はボールに触る!」から始まり、だんだん大きくしていきました「今日は、ボールが右に出たときは、全速力で走る!」

体力がなく、無駄な動きが多い初心者は、試合の後半はバテテしまいヘロヘロになるのです。そこで、ボールが右に動いた時だけ必死にボールを追いかける。左に出たらチンタラ歩くわけです。

これは中々良い結果につながりました。なんでここにフッカーが顔を出しているの?不思議な顔をする味方からボールをもらい、そのままボールを置いてトライしたことがありました。

自分で目標を立てることを始めたのは、中2の頃です。剣道部で毎日練習に励んでいた私は、学校代表の駅伝の選手に選ばれました。

うれしかった私は、「特訓」なるものを始めました。家から数分の所にある小学校の運動場を夜中に走るのです。今日は5週、明日は6週…。運動場の端から端までをダッシュで今日は5本、明日は6本…。この特訓を自分なりに「魔の特訓」とか「死の特訓」とか名付けて走っていました。(面白いでしょう!ちょっと変わっていましたかねえ!)

これに飽き足らず、家から4キロほど離れたところに鉱泉(炭酸泉)がありました。そこまで走って行き、鉱泉を飲み休憩し、また走って帰る。よくもまあ、真っ暗な人通りのない道を一人で走っていたものだと思います。

今流行りの炭酸水!まさしくあの味です。もっと雑味がありましたが、炭酸水を飲むとあの頃を思い出します。

子供たちにいろんな話をしますが、中々うまく伝わらず、心に響かないようです。人からこうしなさいと言われて動くのは嫌なものです。自分で動こうと決めないからつらさばかりが先に立ち、続かないのだと思います。

ですから、逃げないで自分と向き合い自ら動き出して欲しいのです。中3受験生は今から動かないと手遅れになってしまいます。それを重々分かっているからこそ声を荒げて話をしますが、響いて欲しい子には届かない!

「どうすれば自分で目標を決めて動いてくれるのか」

この課題の解決に、試行錯誤を繰り返しながら、24年、塾を続けています。