時間割の謎!

中学で教科書が変り、新しい指導要領に基づく授業が本格的に始まりました。

学習内容が増えても、授業時間数は同じ!生徒の時間割を見ての感想を書きます。

中3の時間割では、週あたり数学4,英語4、理科4、社会4,国語3時間の授業が組まれています。

学年で各教科の時間数が変るのをご存じでしょうか?国語は中1・2は4時間、逆に社会は中1・2は3時間、そして理科は中1だけ3時間です。変わっているのは、数学で中1・3が4,中2が3時間です。

まず気になるのは国語!週4時間でもあの分厚い教科書は終われません。教科書をくまなく全ページは指導できないのです。ですから、大きな単元の間にある細かな指導内容を飛ばしたり、重要単元に絞って指導される先生がほとんどです。最近の教科書は、ちょっと欲張りすぎる内容になっているのです。

次は英語。知り合いの塾の先生が、中1の教科書の見開きのページを授業で説明するのに、今までだと20分で終わっていたのが、新しい教科書では一時間もかかってしまったとぼやいていらっしゃいました。英語はそれくらい変わっています。

これは他の教科でも同じで、時間数が限られている以上、何かを捨てなければ教科書を終われないのが現状です。生徒の理解を深めてから次へ、なんて悠長なことはできないのです。

ここに今の学校が抱える大きな問題があります。学習内容の難しさに加え、学習量の多さが生徒の理解を妨げているのです。

この問題の解決には、土曜日の授業の復活か、長期休暇を短縮して授業時間を確保していくしかありません。

昔は、難しすぎる内容に落ちこぼれる子供たちが増え、「ゆとり教育」が始まりました。この結果、学力低下が叫ばれるようになり、10年前の指導要領から「詰め込み教育」ではない「脱ゆとり教育」が始まりました。どう説明しようと実際は逆戻りしているわけですから、消化できない学習量を抱えて、落ちこぼれる生徒が増えるのは、当然のことなのです。