英検の功と罪!

英語資格者活用受験の廃止を申し上げながら、自塾の生徒は受験させました。英検は英語力でなく英検力で合格できるといいながら、当塾では準会場として毎年塾生に英検を受けてもらっています。

私自身、矛盾とジレンマを感じています。ご批判もあろうことかと思いますがどうかお聞きください。

英検、漢検、数検等様々な資格試験があります。当塾では小学生に漢検、中1・2生には英検を受けていただいています。

資格試験を始めた理由は、明確な目標が持てない学年の意欲喚起です。小さな目標ではありますが、資格試験に向けて努力する。合格できた!うれしい!自信が持てた!次も頑張ろう!こんな気持ちを感じていただきたいからです。

私がこう思ったのは、小学校低学年から始めた習字でした。一ヶ月間課題を練習し、最後の週に清書する。進級できると次の月に配られる冊子に自分の名前が載る。活字で自分の名前を見たのはその時が初めてだと思います。次もしっかり練習して次の級を目指そう!そんな気持ちで習字教室に通ったのです。

ですから無理な級は受けさせていません。その学年に相応した級の取得を目指しています。

ところが、昨今の英検ブームは違っています。英会話が中心だったのに…。以前は英検の指導などまったくやっていなかったのに…。どことは申しませんが、英検一色に変わっています。

これには理由があります。個々人の成果はまちまちです。成果がでないとすぐにその習い事をやめ他に移る。そこでも成果が出ないとまた変える。塾をはじめとした様々な教室は、一定の出入りを繰り返しているのです。

その目に見える成果が資格取得なのです。級取得という具体的な成果で保護者を安心させ、次の級取得を目指して継続させる。出ていく生徒が少ないほど生徒が増えます。

また偉そうなことを書いていますが、「具体的な成果を求める保護者心理を逆手に取った商法」だと思うのです。

次回書きますが、英検の級取得が易しすぎるのです。もちろん級を上げていくにつれて難しくなります。すんなり取れなくなります。そこでもう一回、もう一回、あと少しです!と受験回数を重ねてさらに継続させているのです。

私は塾という商売をやっている以上、加害者の立場にあります。そんな立場で何を言っているんだ!と笑い飛ばしていただいて結構です。日頃の思いをお伝えしたいだけです。